メイセイオペラ産駒
韓国初勝利・地方重賞初出走によせて

 10月10日、うれしい知らせが海の向うから飛び込んできました。
 韓国へ輸出されたメイセイオペラの初年度産駒のうち、コスモバスティーユ(コヂュモベスティル 코즈모배스틸)がソウル競馬場の一般レースに勝利し、記念すべき韓国競馬初勝利を挙げたのです。
 3歳以上の馬と混じっての戦いで、圧倒的な人気馬を破っての勝利です。まだまだこれからの成長も見込めるでしょうし、将来、上のクラスに進んだとしても、活躍を見せてくれるのではないかと思います。

 メジャーリーグのイチローを引き合いに出すまでもないですが、今や、日本人が海外で活躍するのが当たり前の時代になりつつあります。
 それは、海外においては、日本人は外国人として特別扱いないし差別されることなく、実力をそのまま評価してくれていることの結果であると思うのです。
 ですが、メイセイオペラの子供たちの渡った韓国では、残念ながら同じだとはいえません。かつての日本のように内国産主体の閉鎖的な競走体系となっています。2歳馬、3歳馬が目標とすべきダービーも、内国産限定競走です。
 すなわち、KRAでは積極的に外国産馬の輸入を進めているとはいえ、まだまだ競走馬として格差が設けられているのが現状といえます。

 しかし、外国から輸入された馬たちがその力を見せ付け、かの地の人々を魅了すれば、かつての日本のように、外国産馬にもダービーや天皇賞への門戸を開くべきだという世論が巻き起こるはずです。
 そして、韓国に日本産馬の市場を広げることが出来れば、KRAの代表購買だけでなく、韓国競馬の馬主さんたちが直接、日本のセリに参加してくることもあるかもしれません。韓国の賞金レベルは日本の地方競馬とさほど差はないですから、いわゆる地方競馬にいくようなレベルの馬の需要を広げることができます。
 日本の生産レベルは、層の厚さと言う意味では世界に誇るべきものだと私は思っています。それは多くの生産頭数が確保され、日本の血脈が守られてきた歴史から必然的に生まれてきたものと考えています。そして、生産頭数の確保は、地方競馬という巨大な市場の存在に裏打ちされているのです。

 昨今、地方競馬の先行き不透明感で、生産界は需要の先細りにゆれています。その穴埋め、いや、それ以上のものを海外市場はもたらしてくれるはずです。
 メイセイオペラの子供たち、他の日本生産馬たちの活躍は、大陸から差す一筋の光明となって馬産地を明るくしてくれるかもしれません。
 大上段に構えすぎてしまいましたが、とにかく、コスモバスティーユの今後の活躍を望みたいところです。

 一方、10月13日、メイセイオペラ産駒がはじめて重賞競走に挑戦することになりました。メイセイオペラ産駒にとって主戦場になったといっても過言ではない、笠松で行われるジュニアクラウンにメイホウキングが出走します。
 ジュニアクラウンといえば、過去の勝ち馬にはオグリキャップ、トミシノポルンガ、そしてオグリローマンと錚々たるメンバーが名を連ねる伝統のレースです。認定未勝利のメイホウキングにとって、ほとんどが認定勝ち馬という笠松でも上位のメンバーがそろったこのレースを勝ち抜くのは容易ではないと思いますが、ぜひ勝利をつかんで偉大な先輩に一歩でも近づいてほしいものです。

 ですが、ここで立ち止まって考えてみたいのです。重賞といえばその地区で伝統と格式を誇るレースであり、競走体系の根幹に位置付けられるべきレースのはずです。
 しかし、賞金は110万円。5年前は220万円あった賞金がここまで下がってしまいました。それに比べて認定新馬は200万円、認定未勝利でも150万円です。
 確かに地方競馬の経営が苦しいのはわかります。笠松競馬は現に、存廃が取りざたされるまでになってしまいました。ですが、重賞競走より新馬戦の方が賞金が高い現状で、競馬という興行が成立できるといえるのか、重賞勝ち馬という名誉をたたえるにふさわしい額なのか、やや疑問です。
 地元のファンにとって、重賞競走は最も楽しみにされるレースではないかと思います。例え重賞でも、賞金が安ければ、他のレースに馬は流出してしまうわけで、地元の有力馬をそろえてファンに楽しみを提供するという競馬興行のがもはや成り立たなくなってしまうのではないかと思います。
 JRA挑戦に積極的な笠松の土地柄、例え賞金が高くてもJRAのレースを選ぶのかもしれません。ですが、地元の空洞化といわれてしまっては元も子もなくなります。何らかの措置を講じてほしいものです。

 今回、ジュニアクラウンに集ったメンバーが空洞化の結果の弱いメンバーだと言いたいのではありません。むしろ、もっと高額の賞金を出すにふさわしいメンバーであるし、もっと高額の賞金によって名誉をたたえるにふさわしいメンバーでははないかと思っています。
 ファンの人たちに夢を与えるような、そんなジュニアクラウンになればいいですね。私もできれば現地で応援したいと思っています。

(2004.10.11)